④5年後はロールオーバーできる

非課税期間5年経過後は、課税口座に移したり、売却したりという選択肢もありますが、2023年まではロールオーバーも可能です。ロールオーバーとは、非課税期間が終了する資産を翌年の非課税枠に移すことです。これならば、非課税期間が終了するときに時価が下がっていても、新たな非課税枠に移して再び5年の間に値上がりするのを待つこともできます。

ただし、移す際には、新たな時価で計算されるので、値上がりしているとその年の非課税枠を大きく使ってしまうことがあり、その点は注意が必要です。仮に120万円で購入した商品が130万円まで値上がりした場合、130万円でロールオーバーは可能ですが、その年度はすでに120万の枠は全額使ってしまうので、新たにNISAを使っての投資商品の購入はできなくなるのです。

⑤預貯金よりもリターンが期待できる

NISAで取り扱いする商品は、預貯金のように元本と利息が保証されているものではなく、株や投資信託といった値動きがあるもの、いわゆる元本割れリスクがある「リスク商品」と呼ばれているものです。しかし、その代わり、値上がりした時の売却益や配当などを預金の利息と考えると預貯金よりも利率としてはよい可能性があります。

2018年2月現在では、大手の銀行で、1年の定期預金0.01%という低金利も珍しくありません。0.01%という金利は仮に100万円を1年預けても100円、しかもそこから20.315%の税金が引かれるので手元に残るのは元本プラス80円という金額になります。今から5年間、預貯金で預けても100万円で400円しか得しないなら、多少リスクがあってもNISAを使って、投資信託や株を始めてみるのもよい方法だといえます。

NISAで購入できる商品の中には、安定的な債券を中心とした投資信託や、株式と債券を組み込んだバランス型と言われている値下がりのリスクが低めの商品もあります。ローリスク商品だけではなく、海外の株や債券などを含めさまざまな種類の商品を、資産と時間を分散して買うのが、リスクを減らしながら安定的なリターンを狙うのにはおすすめです。