③非課税枠の繰り越しは不可

2024年からの新NISAでは、上限の1800万円までであれば、非課税枠の再利用が可能になりました。

NISAには、年間で120万円までという制限があります。毎年120万円きっちり使えればお得ではありますが、非課税枠を利用しきれないという方もいるでしょう。すると、翌年に繰り越しされるのではないかと思う方もいるかもしれません。しかし、非課税枠はあくまで毎年120万円までで、枠いっぱい使おうと使うまいが、繰り越しされることはありませんのでご注意ください。

④確定申告不要に落とし穴がある

NISAは非課税なので、確定申告不要というメリットがあります。確定申告が必要ないというのは、NISA口座から利益が出れば出るほど、手元に残るお金が一般口座や特定口座で利益が出た時よりも大きくなるということです。しかし、一方で確定申告がないことによるデメリットもあります。

損益通算されない
一般口座や特定口座では、確定申告をすることで税金が軽減できる損益通算のメリットがあります。損益通算とは、例えば株や投資信託などの売却をして1つの口座で利益が出ても、ほかの口座で損失が発生した場合には、通算して計算されるといった方法です。仮にAの口座で売却し、30万円の利益が出ても、Bの口座で30万円損していれば、通算すると0円になり、税金がかかりません。これがBの口座がNISA口座だった場合は、損益通算されず、Aの口座の売却益30万円に対して税金がかかってしまうというわけです。

損失繰越も不可
手間がかかる確定申告ですが、一般口座や特定口座の場合、損失が発生すれば、その年から3年間赤字を繰り越すことができます。例えば、100万円の売却損が出た場合、翌年100万円の利益が出ても昨年の100万円と合算して、0円となり税金がかかりません。これがもし100万円の売却損がNISA口座で、翌年に利益(仮に100万円)を出した口座が一般口座や特定口座となると、昨年の売却損は考慮されないので100万円の利益に20.315%課税され、20万円以上も税金を納める必要が出て来ます。